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調律師を厳選する





一般的な認識と調律師の仕事内容


「あなたは、ピアノに何を求めているのか?」と漠然と聞かれた場合、何とお答えになるでしょうか?
勿論「良い音のピアノ・弾きやすいピアノ」とお答えになる方がほとんどかもしれません。しかしそれはある意味「あなたは、調律師に何を求めているのか?」という質問に等しいかもしれません。もし今お持ちの楽器がまったく不満のない楽器であれば、それには必ず素晴らしい調律師が付いていることでしょう。弾きやすい・音色がきれい・反応が良い・意思通り弾ける・正に自分の分身かのように操れるピアノは、その楽器自体が世界の一級品であっても、ピアノを調整する調律師の腕一つにかかっていると言っても過言ではありません。それほど腕の良い調律師は音色や鍵盤のタッチを容易に変化させ、瞬間的に弾き手のご要求に沿うことが出来るのです。
よく「弦が切れたので調律しに来て下さい。」もしくは「トリルが入りにくくなったので調律しに来て下さい。」「音色にばらつきが出てきたので調律してください。」との仕事依頼を受けることがあります。調律師の仕事には”ピッチ合わせである調律””ピアノの弾き手のイメージを正確に伝える為に施すアクション整調””弾き手の求められる音色を作り上げる整音”に分けられます(厳密には、調律・整調共に大きく音色を左右します)。しかし、調律師の仕事を全て含めて一般的に”調律する”と言われている現状があるのは、やはり先ほども述べましたが、ピアノを所有される方々の中に調律師が音色・タッチに変化を簡単にもたらすことが出来るといったイメージが余りない事が挙げられるかと思われます。特にピアニスト達にとっては、調律が合っているかどうかという問題よりは、音色の好き嫌い、音色・タッチのばらつきの有無、フォルテシモからピアニシモにいたるまでの音量レンジ、タッチの軽快さ・反応の良し悪し、自分の意思通りに操れるかどうかなど、ピアノ自身の表現能力を重視される傾向があるように思えます。



新しい認識を示す

そこでアーティストピアノサービスは、一般的に言われる”調律師は、音程合わせをするのみ”といった、つまり元々正しいピッチがありその規定ピッチが狂ってしまったものを正しいところへ戻すのみという、全く創作性のない概念からの移行を目指し”精錬されたセンスと感性を生かし、音色を作り上げる”というかなり感覚的な新しいイメージをアピールしています。そして、この数年間私どもの努力が実りトップアーティストの方々や、音楽大学の先生方からも「確かに、アーティストピアノサービスの技術は、ピッチ合わせだけに留まらず楽器そのものに大きな変化を与える。」とのお声を頂いております。それに加えて、コンサートやレコーディングという最高の舞台からフィードバックされてくるデータやノウハウを、惜しみなくご家庭のピアノにも反映させることに努めています。



現状のピアノから、最良の結果を産み出すには?

わたしたちの経験から申し上げて、ご家庭に置かれているピアノは、あまり状態の良いもの見受けられません。そもそも調律師を選び、変化を自らのピアノに与えようなどと考えも付かないかもしれません。よほどの演奏家でもない限り、必要の無い事と思われているかもしれません。つまり殆どの方は、自ら所有されるピアノのベストコンディションを知らないまま弾き続けているということです。ベストを知らないわけですから、比べる対象も無いといった悪循環が、「自分の弾き方が悪い」ですとか「部屋が狭いから」といった具合に、それなりの理由を付けて納得しています。この傾向は音楽大学生レベルでも十分に見受けられ、ピアノに対しての価値観が一般的に定着していない事を証明しています。また、「弾きやすいピアノ、弾きにくいピアノ」と定義する場合でも、どちらかというと「弾き慣れたピアノ」に対して”良い”と感じている傾向があり、真に”最善のピアノ”と評するまで達していない感も見受けられます。
細分化された音の世界も併せてご覧下さい) 
その”最善のピアノ”と定義する場合ですが、単刀直入に申し上げて”最も可能性のあるピアノ”を良いと感じるか否かだと思われます。例えば、どんな悪条件にさらされている(調律がかなり狂っているなど)ピアノでも、「調律をきちんとすれば、良い楽器だ」といった具合に、その瞬間に発せられている音ではなく、何かのきっかけもしくは将来にわたり「良くなるはずだ」という可能性を見極める力の事です。しかし、これは容易な事ではありません。ほんの一握りの演奏家が可能なピアノの選定方法です。
殆どの場合は自らが所有するピアノが”やたらにタッチ感の軽いピアノ”で日頃慣れていれば、一流メーカーなどが人間工学により最善とされるタッチ感のピアノを製作してきても”やたらにタッチの重いピアノ”と感じることが多数のはずです。または、耳がおかしくなるくらいに大音量の出ているピアノで日頃慣れているのだとすれば、ある一定の音量を保っている良質の音を”鳴らないピアノ”と感じてしまうことでしょう。これはある種のピアノに対する習慣のようなもので、ピアノ自体に対する価値の是非はこの次元では決定できていないと思われます。
要は、よほどピアノの台数を弾きこなしている演奏家でもない限り、慣れたピアノを良いと感じる傾向は明らかに見受けられます。これは決して良いことではなく、むしろ問題視すべきであると感じています。

以上の状況から、方向感のはっきりしている調律師を必要とします。ピアノ所有者の要望に応えられる事は勿論ですが、経験やノウハウから音の価値を提示できる必要性があります。前述では、音の価値その物の見極めが難しいと記載しました。難しい領域であるからこそ、一つの雛形が必要となり、その雛形をピアノ所有者は主だった音の価値として、新たな音を創造する領域に入ってゆきます。またピアノ使用者の状況を総合的に分析して、適切な助言を行える事も大切です。殆どのピアノは的確な調整により、全く次元の異なる世界まで到達できます。それは新品のピアノであれ、20年経過したピアノであれ同じ事です。様々な章で書かれています、開発のフィールドと経験により、その次元はもたらされるのです。



的確な調整とは?

的確な調整を的確と定義付けるものは何なのか?その決定的な裏付けが無ければなりません。わたしたちは、経験のないものや何の裏付けのないものを憶測で発言する事はありません。
的確な調整を裏付けるものとは、やはりピアノの真の能力を見抜く演奏家の下で、その傍らで良いピアノ、または良いピアノ調整を徹底的に教えられてきたことです。もしくは、良いピアノを求めて演奏家たちと深い友情関係を築き上げ、議論を交わし、一緒に可能性のあるピアノを追い続けてきたということでしょう。
これ以上の定義の裏付けは、他には無いと思われます。そして、無数の可能性ある音を作り上げる技術的ノウハウを吸収してきました。
 

本番前のアーティストたちと共に、
ピアノの音色、音程、調律方法などを
話し合う
レコーディング前に、アーティストの
表現力を最大限生かす形で調整を施す
三鷹芸術文化センター風のホールにてリ
ハーサル終了後、コンサート直前の再調律



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