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ブログ・バックナンバー5

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日々の活動日記Blog

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2018年4月18日 - コラム:良い音とされるその定義を考える。

スタインウェイ中古・グランドピアノ


コラムを更新しました。良い音とされる定義を、纏めてみました。今のところ、僕の持つ良い音というものは、日本国内で得ることが非常に難しいと感じています。そのあたりの内容も踏まえ、コラムを書いています。

http://www.for-artist.com/blog/column4.html


2018年4月17日 - アフリカ・ガーナからのミキシング・マスタリング

ミキシング・マスタリング


今日は朝一でミキシング・マスタリングを開始しています。夕方には入荷したスタインウェイグランドピアノの検品に行くため、幾つかのテイクをクライアントに提出するためです。そして今回のミキシング・マスタリングの依頼は、アフリカのガーナからという、自分があまりやり取りをしたことない地域なのですが、アフリカの地まで自分を知ってもらうことが出来ているのは、非常に嬉しいですし光栄な仕事です。
到着した音源を聴き、最初にすることというのは、その音源のクォリティをチェックして、まずは何をやるのかを話し合い、額面を決めなければなりません。そのためのチェックなのですが、パッと一聴きして感じたこととしては、かなりレベルが高いというものでした。元々イギリス領なので、公用語が英語とのことですが、楽曲そのものは英歌詞ではなく、恐らくは現地で根付いている言葉を使っていると思われますし、アメリカやヨーロッパの文化が物凄く流入しやすいという状況でもないはずです。加えて、貨幣価値という意味で考えれば、油田があるにしてもやはりアフリカという地域の所得格差は否めなく、そう考えると日本のほうが遥かに欧米の文化が流入しやすく、その上機材を購入する金銭面でも恵まれているはずです。
しかし、音楽としてのクォリティと音の価値という意味で考えれば、ガーナのほうが上ではないかな・・・と感じてしまったほどです。これは単に金銭をかければ良いということではなく、また情報が沢山入ってくればその領域に達することが出来るという訳でもないことを感じさせます。
まだまだ成長国のガーナ故、ハングリー精神は非常に強いでしょうし、志も高いのでしょう。それが作品に現れていました。
さて、スタインウェイのL型が到着しているので、検品に行ってきます。



2018年4月16日 - スタインウェイ・グランドピアノ中古L型入荷

本日成田空港に到着したばかりなので、写真の用意ができませんでしたが、スタインウェイ・グランドピアノ中古L型が到着しました。今回の便は、1968年製の艶消しブラック480万円になります。また、次期の輸入ピアノも決まっており、スタインウェイ・グランドピアノのB型1987年製が入荷予定です。今回もスタインウェイ本社で黄金時代を支えた、Ken Eshetの手による調整で、DHLにて半導体をも輸送できるクォリティでパッキングされ、現地の空気もそのままに輸入されています。
こうした黄金期のスタインウェイを支えた調律師・ピアノ技術者を用いた形で輸入されるケースというのは、日本のスタインウェイを取り扱う業者の中でも、恐らくは当社だけかと思います。中々人脈を有することも難しい世界で、彼とはMaster Classで知り合い、また複数の共通のピアノディーラーと知り合いだったことから、現在のような手法を取るようになりました。ドイツにも強力なコネクションは多数あるので、今後ヨーロッパ側でも権威ある調律師・ピアノ技術者の手掛けた音を、そのまま輸入出来る仕組みを作り上げたいと思っています。
僕がコネクションを持っている業界というのは、スタジオワーク系だと兎に角アクティブで、ピアノ業界とは国際的にも随分とカラーが異なります。去年末にヨーロッパへ飛んだ折には、マスタリングスタジオ機材メーカーからの紹介で、スタインウェイ社で働いていたStephanという調律師を紹介されました。凄く寡黙な方ですが、流石スタジオと繋がっているだけあって、かなりの凄腕です。旧東ドイツに居たこともあり、ベルリン・フィルの仕事を相当にされたとのことでした。カラヤン時代のベルリン・フィルについても語ってくれたり、アルゲリッチのコンチェルトの記憶も鮮明に話してくれました。やはり本国は流石にダイナミックです。
僕としては、KenやStephanから教わった音を、きちんと継承していけるようにしっかりとトレーニングしていきたいと思っています。ただ感じることとしては、KenやStephanの音を日本で広めるには、相当量の労力が必要であるということです。これまでにも再三書いていますが、日本で鳴っているスタインウェイを始めとするピアノとは、著しく価値観が異なるため、どういう形で受け入れられるのか?という点は、今後課題だと思っています。
本国の音というものが、日本でも広がっていくことを夢見ています。



2018年4月16日 - コラム:欧米の哲学から音を考える

グランドピアノ中古 スタインウェイ


コラムを更新しました。
哲学という分野から、『音』というものをエクプロールし、どういう概念で音楽後進国である日本が、欧米文化に近づいていくのかを考察してみました。今回はうまく定義で居たと思うのですが、様々な尺度から考えることで、より立体的な議論を可能とする内容になっているかと思います。

http://www.for-artist.com/piano/column3.html



2018年4月16日 - 使えば使うほど、その良さが分かる機材

マスタリング レコーディング


今日3回目のブログアップです。自分の活動を日記として記録しておく意味も兼ねて、サイト内に作ったブログですが、当社の業務内容そのままに、かなり凝縮されたペースで記事を毎日アップさせて頂いています。
さて、今回はスタジオ機材の件です。写真はSSL XL-DESKですが、ステムマスタリングを行う際にも利用でき、非常に重宝しています。レコーディングやミキシングの折に使用することは大前提ですが、マスタリングまでをコンソールで行うことが出来るというのは、何よりもの強味です。そして、そのコンソールにビルドインされている、elysiaやBettermaker、そしてIGSなどの機材は、使う度にその素晴らしい音を再確認させられます。何故複数のイコライザーが必要なのか?何故様々なコンプレッサーが市場にはあり、何故それぞれ目的に合わせて機種を選ぶのか?という疑問は誰でも持つものですが、それにはそれぞれの思想があり、端的に言えば音色が異なるからです。そして良い機材というものほど、その素晴らしき音色を奏でてくれ、感動的な楽曲制作を可能としてくれます。
今夜はMaster Busに、IGS AudioのEQをセットアップして使用しましたが、それはもう素晴らしい低音を奏でてくれ、この機材でしか出せない重いキック、ベース音を演出することが出来ます。他のプルテックEQでは、出そうで出ないこのサウンド・・・強力な哲学を感じることが出来、その思想の素晴らしさを再確認させられた夜でした。


2018年4月15日 - アメリカ・サクラメントからのスタジオワーク

ココ最近の仕事も、非常に国際色豊かです。ガーナから国の機関で使用する楽曲を作ったが、今一つの音なので作り直したいという問い合わせがあったり、昨日はアメリカのサクラメントから楽曲を日本語化し、レコーディング・全てのスタジオワーク(ミキシング・マスタリング)を経て送り返して欲しいという案件が到着しました。曲は決まっていますが、その他のことは何も決まっていなく白紙の状態であったので、すぐさま知り合いの作詞家や歌手のブッキングを行い、意思疎通を進めるというところまでは、いつもどおりの流れです。。なので既にこちら側の体制は整っているので、アメリカサイドから来るリクエストを待つばかりという状況です。
今月国内ではアニメの曲でマスタリングを担当したので、それが大きかったでしょうか。海外はドイツ、アメリカからの仕事で引き続き受注と制作を繰り返している感じです。ここまで海外趣向の強いプロダクションに成長するとは自分たちも驚きで、今後の市場を思うと良い選択肢であったと感じています。
今年の目標である、ヨーロッパでのアワード(賞)を何としてでも取りたいと切に思っています。



2018年4月15日 - 日本の『音』を変えたいという思い

ここ最近、多くの文面をあちこちに書き、またセミナーなどを通して多くの方にお話をさせて頂くことも増えました。その話の内容はウェブ上や冊子に掲載され、より多くの方々の目に届くようになりました。その昔は小生意気な若造で、中々自らの立場というものがはっきりせず、悩んだこともありましたが、変化の激しい世界に生きるがゆえに、常に変化を求められ努力するうちに、現在の立ち位置というものを与えられたのかもしれません。当社の姿というものも物凄いスピードで変化を遂げ、常に時代をリードする斬新なスタイルを確立してきましたが、その根底となる1つの大きな思想があります。それは、
『日本で流れる音楽の音を変えたい』
というものです。どうしても日本の音楽業界というものは、欧米の列強国の影に隠れ、世界の舞台ではまだまだ追い付くことが出来ていません。それと共に、音の分野においての遅れは周回遅れという程度に収まっておらず、考え方のベクトルそのものが別の方向を向いていしまっている故、作り込みにおいては、国際舞台で相当に厳しい状況にあります。
この状況を打破したく、私達自身が欧米での活動を中心とし、実際に”どんな音が世界の舞台では、善しとされるのか?”というものを経験し、その厚みある音楽体験から現在のスタイル確立してきました。
ピアノも同じく、音の分野がにおいての日本人の苦手意識というものが露骨に出ているところがあり、これを打破すべく世界との協力関係というものを強力に推し進め、まだまだ国内に入ってこない詳細なディテイルと、欧米で聴くことの出来る実際的な音をご紹介できるところまで漕ぎ着けることができました。
随分と当社の仕事内容も増え、”アーティストピアノサービス”という名称に対して、不思議に思われる方々も多いようです。
『なぜ社名にピアノが付く?』
などのご質問も頂戴しますが、それは当社がピアノに起源があるからです。
今後も楽曲制作やスタジオワーク、並びにスタインウェイピアノやグランドピアノ中古の製品などを通して、日本の音作りに貢献していきたいと思います。



2018年4月14日 - Bettermaker 刷新されたマスタリングEQ



ヨーロッパが、また新たな考え方で素晴らしいスタジオ機材をリリースしてきてくれました。どうしてこういった考え方ができるのか分かりませんが、4バンドのパラメトリックEQとハイパスフィルター、それにプルテックEQを一挙に詰め込んだ機材です。Bettermakerも本国エンドーサーなので、このマスタリングEQの存在はインタビューを受けているMarek CEOから随分前に聞かされていました。しかし、存在は聞いていたとしても、彼らの考える先の先というものはこちらも想像するに難しく、余りに先進性が強すぎるがゆえに度肝を抜かれる感覚です。
まあ、この機材に関しても、リミッターと同じく恐らくは世界を席巻することになるのでしょう。機能として注目すべきは、ノブで操作するには機能の多すぎる内容を、タッチパネルに収めてしまうことで、全て解決してしまうところは工学に強いポーランドならではという感じもします。音に関しては、これまでにも既に2機種を導入済みの状況なので、凡その検討はつきます。elysiaとはまた一味違うHi-Fiサウンドで、更に精錬した音なのですが、若干線が細くなる印象もあるので、そこは使い分けという感じになるのではないでしょうか。そして、何と言ってもBettermakerの大きな利点としては、機材をUSBケーブルで繋ぎプラグインから遠隔操作できることです。これがどれほどの素晴らしい機能かは、使ってみた人にだけ分ける便利さであると思います。
機材が増えてくると、マスタリングデスクに入り切らないほどのEQやコンプレッサーが山積みになるので、他のラックに移したいのですが、マスタリングの場合手元に機材がないと不便・・・そんなときは、プラグインで機材のコントロールを行えるという利点は、極端な話スタジオの何処かに設置されていれば何ら不自由しないということで、非常に強力な武器になってくれます。この機材も既にMarekと導入の話し合いを行っているので、夏までには使用できる状態に持ち込みたいと思っています。


2018年4月14日 - スタインウェイ・グランドピアノ-ダンパーアクション

グランドピアノ中古 スタインウェイ中古


お陰様で、非常に多忙です。
今日はスタインウェイピアノの修理で、1920年台のグランドピアノB型を直しに伺いました。この年代のスタインウェイピアノというのは、ダンパー部分に調整ネジがなく、異音がしたり動きが悪くなったり、更には角度を調整したい折には、ニカワで止めてあるフレンジをカッターなどで割れ目を入れ、フレンジを外し後ほどそのフレンジをネジで止めるように加工を施す必要があります。かなり厄介なのですが、さすがはスタインウェイその時代その時代に思想を感じますし、その時にとっては完成されたものであったと感じるポイントも幾つもありました。
現代の設計と全く異なる点としては、通常グランドピアノで用いられているダンパーアクションの固定位置が、より無理のない状態で取り付けられており、なおかつ動きがより少量で済むように設計されています。たしかに現代のほうがメンテナンス性には優れいていますが、アクションのスイングという意味では、もしかしたら昔のほうが無駄がなかったのかもしれません。
こういう普遍的な考え方をするところは流石の部分があり、短期間の研究や開発でどうにかなるものではないと感じさせられます。一つ一つ、その時その時の完成度の高さというものは、欧米ならではの考え方ではないでしょうか。


2018年4月14日 - コラム『欧米で行なわれるピアノの選定から考える』

スタインウェイ・グランドピアノ中古



コラム『欧米で行なわれるピアノ選定から考える』を書いてみました。
何を持っていして、ここまで音や価値観が異なるのか?ピアノに限らず、音楽に纏わるものほぼ全ての価値観が異なっている状況の中、今回はピアノを選定する折の状況を切り口として考えてみました。
ピアノに纏わる人々のレベル、そしてその文化の深さと哲学の深度の違いを顕著に感じる瞬間から、音へのアクセス方法がどう異なっているが故の現状なのかを考慮しました。中々変えがたい部分であり、『こう物事を考えれば欧米式』になるという定義も難しい中での理論なので、自分のできることとしては、考えのベクトルそのものを見直さないと、今後大きく良い方向へ日本の音は変化しないだろうという定義を示してみました。
スタジオワーク以上に、ピアノという存在は非常にアコースティック感溢れるもの故、構築型のスタジオワークに比べると、かなりピアノ自体の能力に依存するところがあります。しかし、本来のスタインウェイグランドピアノの音色が出ているのか?本国と何がここまで違うのかなど、ピアノを選定する(欧米社会にとって自分がクライアント)立場で物事を見てみました。何時もは、欧米が僕のクライアントなので、立場が異なれば見えるものも違うのかもしれないと思い、書いてみた次第です。


2018年4月14日 - 仮ミキシング・マスタリング

オペラ・ピアノ曲 ミキシング・マスタリング


ここ数日間レコーディングしていた、オペラ・アリア曲の仮ミキシング・マスタリングを行っています。余りに素晴らしい出来で、涙が出るほどの歌声です。歌唱の素晴らしさもありますが、それ以上にこれまで歌手が通ってきた道を感じさせるストーリーが有り、その明確な道筋というものに対して、大きな感動を覚えました。リリースするまでには、まだまだ時間的に必要とするものが多い状況ですが、先ずはここまで来ることが出来たという実感もあります。
また、これまでに拘ってきたピアノレコーディングが、これ以上無いほどの美しさを誇っており、新国立劇場の指揮者から、東京芸術大学で教鞭を執るピアニストまでに聴いてもらい、感想を得ることで、今回の作品がどれ程革新的であり斬新であるかというという裏付けを取れています。
更に今回の作品を通し感じることとしては、新たなものに対しての挑戦という意味で、そのリスクを怖がらないで攻める気持ちが、どれ程に関係者一同共有されているかが重要であることを再確認させられました。単なる挑戦という漠然としたものではなく、明確で強力な哲学を背景に、最優秀の人材達が集まり、一方向を向くことほど強いことはありません。今回はこれまでとはまた違う、より強い団結力というものを、制作の過程から探し当てることが出来ています。
音楽業界に対して、明確に革新的と言える作品が仕上がることでしょう。



2018年4月13日 - 192kHz オーバーダビング

すたいんうぇい・グランドピアノ中古、レコーディング


レコーディング終了しました。途中は、192kHzのレコーディングも行なわれ、通常ならばコンピューターが止まってしまうほどのハイレゾレコーディングでした。難なくこの仕事をこなせるのは、32Gのメモリーを積んでいるPCのお陰もありますが、何と言っても強力なのはメインDAWであるSEQUOIAの役割が大きいと言えるでしょう。よくぞここまでと言えるほどの重いデータを、軽々と扱えるSEQUOIAの完成度というものは、現存するDAW内で最強と言われる所以でしょう。
ピアノは非常に明度のハッキリとしたサウンドを収録することが出来、素録りの状態でも既に完成度の高さを感じさせます。また今回の作品では、クラシックの楽曲を扱っていながら、後付でリバーブも足すことになりますが、それもこれも新世代の音を作り上げるコンセプトのもとに進んでいるプロジェクト故、ホールよりも更に明確に色合いを出せる手法を取った為の結果です。
スタインウェイ・グランドピアノのサウンド濃密に捉え、関係者とは
『これは今までになかった新世代のサウンドだ』
という感想を貰え、今日を終えることが出来ました。リリースが楽しみですが、もう少し時間がかかりそうです。



2018年4月13日 - これからレコーディング

スタインウェイ・グランドピアノ レコーディング


これからピアノレコーディングです。
準備を朝一から行い、やっと先程全てのセッティングが終わりました。今回使用するピアノはスタインウェイのL型というタイプで、中クラスのピアノです。大型のピアノと中型のピアノをレコーディングで使い分ける理由としては、大型のピアノというのはそのボリュームから来る圧倒的な表現力が魅力です。特に低音から発せられる奥深い音というものは、そのサイズでしか手に入らないものがあります。一方中型のピアノの魅力というのは、大きさがないぶん良い意味で迫力というものを減らすことが出来、ポップスの軽い曲調などにフィットするケースが多々あります。
ピアノのメーカーでも使い分けは行いますが、サイズによっても使い分けは行なわれます。また、レコーディングに向くピアノというのもあります。端的に言えば、発音の色合いが非常に濃く、立ち上がりの早いピアノほどレコーディングされる音は艷やかという傾向にあります。
さて始まります、今回も楽しみです。



2018年4月13日 - elysiaの新しいマイクプリアンプ

レコーディング・マイクプリアンプ


elysia社が、また新たな魅力的な機材を出してきました。この機材のプロトタイプは、昨年末のヨーロッパ出張で見せてもらっていたのですが、更に魅力的なアプローチで製品化されたというイメージです。最近もelysiaの製品は多用しているので、独特なHi-Fiサウンドに新たな次元での発見もあったりで、彼らの奥深い思想というものに触れることが出来ていますが、そこから更に音の入力部分であるマイクプリアンプを、しかも物凄く多彩な機能を持ち合わせていることが伺え、まあ、このメーカーのエンドーサーで良かったと、再確認しているところです。
あのelysiaが製造してくる機材ですから、スーパークリーンなことは間違いないでしょうし、何と言ってもS/Nがとてつもなく良いのでしょうね。その上リミッターに、SSLで言うところのVHDのような機能を持ち合わせていそうにも見えます(詳細は、まだ何も聞いていません)。今から何チャンネルインストールしようかとか、妄想を膨らませていますが、これでパリッパリのクラシック音源などレコーディングさせたら、極上のサウンドが録れること間違いないでしょうね。素晴らしい!500モジュールなので、持ち運びにも便利ですし、リミッター機能のみを使用していく考え方もありかと思います。コンプレッサーであるMpressorについては、似たマスクで16chが夏までにはインストールされることと思いますが、更にそこから発展型として、このマイクプリアンプがあれば怖いもの無しです。素晴らしいソリューションが、ドイツから出てきたと思います。
更にはSPLから既に情報をもらっているのですが、彼らも新たなマイクプリアンプを考えているようで、あちらはスペックが物凄い・・・・実際に近年のSPLというのは、独創性とスペックを追い求めるところがあって、彼らのスペック競争というのは奥深い哲学に裏付けられているので、全く受け入れられるものでもあります。
夢広がります。


2018年4月12日 - ロジカルな欧米のピアノ技術



アメリカのピアノ関連の友人たちに誘われ、ピアノテクニシャンのマスタークラスを受けるように勧められているのですが、その勉強における一部に以上のような動画が紹介されていました。触り程度のものですが、非常にロジカルに説明されており、これはバークリーやハーバード・ビジネス・スクールでも経験することなのですが、物事を図解し論理立てるのが非常に上手な文化であることを改めて感じることが出来ます。こうした背景は、日本では余り見受けられない傾向にあり、自分が知るところでは少なくとも、こうした知性溢れる理屈というものを組み立てることは、出来ていないように思えます。
その背景には、やはりピアノという楽器自体が、欧米で作られてきた楽器の集大成であり、最も工業製品的であるとともに、芸術性を最大限注ぎ込まれた楽器故に、理解の度合いというものが、最終的なツメになるとどうしても甘くなるのかもしれません。
特に整調が日本人のほうが丁寧であるとか、欧米は荒いなどと言われることを耳にしますが、そうではなく、本当に必要な箇所の感じ方や、その見識に国民性故の違いが見られるのであって、丁寧とされる感性が異なると言えます。結局日本の感性で行なわれた丁寧な調整からは、スタインウェイ本来のサウンドは出てこないのであって、では何故自分たちは丁寧にやっているつもりが、最も著しい結果を求められる音色に対して、明確な回答を出せないのかを考慮する必要性があると感じています。
単にこれは、根本的な理解の方法を間違っているのであり、そこから脱却し欧米風の”丁寧”とされる感性や価値観を手に入れる必要があります。この部分が噛み合わないことには、何時まで経っても本来のスタインウェイサウンドというものは、雲の上で終わってしまうように思えます。
この動画1つとっても、新たな境地というものを考えなければならないことを、感じさせられるものがありました。



2018年4月12日 - スタンウェイ・グランドピアノ納品

スタインウェイ・グランドピアノ中古

昨日は、夜にスタインウェイ・グランドピアノ L型の納品でした。
今回のピアノもボストンから送ってもらったもので、現地でスタインウェイのコンサート・アーティスト部で黄金期を支えた、Kenに完全調整をしてもらい、DHLで半導体を輸送できるレベルでパッキング、そして日本へ送ってもらいました。この手法を用いると、安定したスタインウェイピアノは調律すら狂わないで、ボストンの空気をそのままにパッキングして到着します。選定もKenに行ってもらっているので、所謂最近のスタインウェイではなく、買収前の倍音が細くも鋭い音色が特徴的なグランドピアノです。
そして改めて思うこと・・・・日本に入ってきているので、気候の変動による影響はピアノにあるのでしょうが、音色は基本的にKenが調整した音のそのもの。音が変化していないということであれば、タッチも勿論そのままボストンで作られたまま。どうして日本に入り、弄ると和風になって西洋の音と輝きが失われるのか・・・そういうところは、改めて感じさせられる日本の音楽文化というものです。
また、今後数年後・10年後と音色は進化していき、常に新しい顔を見せてくれるピアノというのも、西洋ならではの音色を持つ楽器の特色です。今後更にオーナー様に磨きをかけて頂き、僕はその音色づくりを精一杯サポートさせて頂きます。



2018年4月11日 - レコーディング終了

スタインウェイ・グランドピアノ中古をレコーディング


素晴らしいレコーディングになりました。
かなり実験的な音作りを行いながら進行させ、非常に意義深い音作りを行えています。元々収録していたピアノ音源に合わせ、クラシック歌手の演奏をオーバーダビングしています。クラシックでは通常行わない手法ですが、求める音そのものが相当に緻密かつ強いものであったために、僕が提案したものです。
歌手とも話していたことなのですが、昨今のヨーロッパ市場におけるクラシック音楽界は、先の先を行く音で制作を行っています。日本は恐らくは、数十年前から余り変化は大きくなく、機材の進化が後押しする形での進歩はあったかもしれませんが、自立型の大きな進歩というものはなかったはずです。現在のヨーロッパは、リアリティを追求することや音圧を上げていき、よりダイナミック感を精錬させるなどの手法を取る以上に、その根底にある思想というものが全面的に後押しする形で、新世代に突入しています。
博識な今日の歌手と話し込んだところ、結局の所、クラシック音楽をクラシック(古風と捉えるという意味で)として再現音楽を制作するのではなく、現代に息づく新しい解釈のクラシック音楽を構築しているというものです。もう時代はそこまで進んでいます。
そして、僕が目指すものとしては、この新たな思想を持つ音でさえも10年古いと思っています。というのは、ヨーロッパのスタジオ機材メーカーから寄せられる新たな境地というものは、更に鮮明な景色と色合いを持ち合わせ、更に立体感の強いものとなっています。今回アーティストと話し合いながら進めているこの音源制作は、これまでの市場に存在しなかったほどの斬新なサウンドクォリティを持ってして、リリースを行いたいと思っています。
そして、こうしたスタジオワークから得られる、最高峰のフィードバックというものが、大いにピアノ事業へ受け継がれています。最新、斬新、最先端を求められるスタジオワークに比べると、どうしても変化の激しくないピアノという存在は、保守的かつ変化を好まない業界体質になりがちです。また、音の構築における頭脳の用い方、理詰めで考え尚且次々にアイディアを考え出し、膨大なシグナルフローを構成していくことで個性が反映される考え方など、これは複雑な技術を要するスタジオワークでしか構築できな音に対する感受性です。
このシビア極まる音の考え方、更には最新の音を常に更新し続ける豊かな見識など、私たちの仕事は双方に刺激しあい完成度を高めています。



2018年4月11日 - ボールドウィンのフルコンサート・グランドピアノ

ボールドウィン、フルコンサートピアノ


これからレコーディングです。
昨年の夏にピアノを録り、その後に何度か歌のレコーディングを繰り返しています。素晴らしい作品を作るには、やはり多くの時間も必要になるということでしょう。ピアノレコーディングの折に使用したのが、Baldwinというピアノで、日本では余り聴かれないメーカーのピアノですが、創業は大凡スタインウェイ社と同じくらいの時期に設立されており、アメリカではスタインウェイと勢力を二分する存在でした。スタインウェイが1971年に買収されたように、ボールドウィンも1980年台にギブソンに買収され、生産拠点を中国に移してしまいました。そこから大きくピアノメーカーとしての立ち位置を変えてしまったようです。
当方に置かれているボールドウィンは、アメリカで生産されていた最終型、そしてニューヨークの名門スタジオ、ヒットファクトリーに設置されていたという曰く付きのピアノです。ビリー・ジョエルがこのピアノを好み、よく弾いていたという話を聞いています。
ピアニストたちの反応もまた興味深いものが有り、
『何これ』
と質問をされるほど、鮮烈な音とタッチだったようです。
今日はなんと192kHzで収録されたピアノ音に、声録りをオーバーダビングで行うという、中々現代の技術を結集しても出来ない荒業をこなす予定です。前回も前々回も、普通にコンピューターは動作しやりこなしてしまっていたので、今回も問題ないはずです。ProToolsならば難しいこの案件も、うちでメインDAWとして使用しているSEQUOIAならば難なく動いてくれます。
さて、スタジオに入ります!



2018年4月10日 - 明日からのオペラ曲レコーディングに向けて

レコーディング・ミキシング用コンソール SSL XL-DESK


明日からのレコーディングに向けて、機材のルーティングを全て見直しています。この作業大好きなのですが、日々やることが多いと様々にとアイティアはあっても、リストラクチャーというものは中々はかどりません。1ヶ月ほどアイディアを溜め込んで、海外のサイトにも投稿しながら反応を見て、今日一気にやりきりました。
最近ニーズの多いステムマスタリングの考え方も大いに取り入れ、マスタリング前に挿すことになる Bus compressor は廃止。Bus EQも使うかと予想されたのですが、結局の所仕事中に使うことは一度もなかったので、それも考えから排除。ということで、ブランクとなった Bus slotです。



マスタリング用500シリーズ


EQを中心にしたマスタリング用API500セクションです。日本に入ってきていない機材としては、IGS Auidoの Rubber Band と Roger Shult ですね。EQ・サチュレーター・M/Sイメージャーがインストールされているelysiaも、日本では余りメジャーではありません。この辺りの機材は、本来ヨーロッパにいけばSSLやNeveよりもメジャーな扱いなのですが、音の価値観が異なるように、機材の扱われ方も国内外で異なるようです。特に面白いのは、Roger Shultかと思うのですが、Roger博士が自らのEQをフィルターと呼ぶように、数バンドを一気に調整できるのではなく、1バンドのみを強調するか、若しくは低域や高域にフィルターをかけるなどの加工が可能です。外見はかなり近代的な雰囲気を持っていますが、音はヴィンテージスタイルとでも言えばいいでしょうか。幾つも所有するEQの中で、オールマイティに振る舞うのではなく、こうした何かに特化した能力を持つ機材というものも、非常に魅力的です。


レコーディング用マイクプリアンプ


そしてこれは、真空管のインストールされているマイクプリアンプです。明日のレコーディングで使用するために、セットアップしました。ルーティングを全て見直し、SSL・Neve双方にリベラルな形でどちらの機材でもRecが可能な状況に配線することが出来ました。
本来早いうちに現在の状況に持ち込みたかったのですが、機材に対しての総合的な理解と、それに伴うシグナルパスを全て理解する必要性が合ったので、ここまでの時間を要することとなりました。
第何期目の完成か分かりませんが、現段階では一応の完成型というものを見れたのではないかと思います。常に改善し、自分の新たな領域に仕事が突入したときには、更に新たなシグナルフローを組む必要があるのかと思いますが、



2018年4月9日 - 音響家協会のミーティング

昨日は、日本音響家協会・東日本支部のミーティングでした。
初めて参加したミーティングでしたが、様々な議論が交わされていました。そして、次の技術セミナーを考えるということで、僕が提案した議案が通ることとなり、10月に再度講師を受け持つ事になりました。これで、今年は幕張メッセ、能楽堂と合わせて3つ目のセミナーを受け持たせて頂くこととなりました。
今回は、ハードギアとプラグインの違いに焦点を当てますが、僕が何時も実務で感じている課題や展望、そして経験からお話させて頂こうと思います。昨今はM/Sモードについての需要も多い中、実際のところM/Sを本格的に扱いこなせている音源というものは多くありません。それがハードギア経由であっても、プラグイン経由で音へアクセスしたとしても、どういう形であれステレオイメージというものを、上手く操れている音源というもの聴くことは稀です。
また、一つ提案として、実際にスタインウェイの音というものを検証して行くというものもありました。このページでも何時も述べている通り、自分がいつも聴く欧米のスタインウェイは、日本では全く異なる音がしています。それを音楽を扱う専門家の目線で(ピアノ技術という目線からではなく)、何故起こるのかを検証しようというものです。
今後もどんな展開になるのか、とても楽しみにしています。



2018年4月9日 - Piano Technicians Masterclass

グランドピアノ中古修理


ご縁から、アメリカのピアノテクニシャンたちで構成されているギルドで、『Piano Technicians Masterclass』があるので、参加しないかというお声を掛けて頂きました。内容を見る限り、かなりしっかりとしており、尚且日本よりも遥かに進んでいるイメージです。グランドピアノの整音や整調、そして響板の交換修理など、スタンウェイ本社のコンサートアーティスト部主任であったKenがレクチャーを持つとのことです。
また、グランドピアノの調律に主眼をおいているレクチャーも有るとのことで、Kenが実際にコンサート前に何を行っているのかを実際に見せてくれるとのことです。アメリカのクラシック音楽シーンと言えば、やはりホロビッツやルービンシュタイン、ラフマニノフなど1900年台前半には、現在スーパースターとされる人物が多数排出されています。日本では以外と思われるようですが、実際のところクラシック音楽の黄金期はニューヨークで形作られ、現代に継承されていると行って良いかと思います。それは、ヨーロッパから始まった西洋音楽方式というものが、本格的にエンターテイメントとして確立された時期であるとともに、一気に大衆のものとして興行化された音楽会が形成された自出来でもあるからです。
Kenは、こうした繁栄した時期を過ごしたスタインウェイ社の、企業買収前に在籍した生き証人であり、こうしたチャンスは滅多に無いと思うと、参加する意義は大きいのではないかと思っています。

そして感じることとしては、どうも音楽全体もそうですし、こうした器楽においても日本の衰退、若しくは遅れというものを著しく感じることが多々あります。大人と子供くらいの違いがあり、この閉塞感の中で何とかやりくりしてきた無理というものを感じざるを得ません。何とか変えていかないと、このままでは本当に良くない現象に苛まれることになると強く感じています。


2018年4月8日 - One and only - 唯一無二の存在として

これまでの事業形態・コンセプトを、ページに纏めました。
http://www.for-artist.com/piano/one-and-only.html


様々な場で自ら発言する機会も増えてきた中で、近年明確に自分たちの立場を説明するものとして、『唯一無二の存在』という言葉が似合うと思い、書き記してみました。シビア極まるスタジオワークと音楽制作、自然の香りを感じながら音を育むピアノ販売や調律。それぞれに魅力があり、それぞれに勘所が存在します。そしてそれぞれの事業が、音への飽くなき探究心を触発し、現在に至っています。素晴らしい事業環境を構築できましたし、ここまで国際的な活動、及び活躍というものを展開するには、10年以上もの歳月を必要としましたが、一つ大きな成果を形作ることが出来たと思っています。


2018年4月7日 - アメリカの音とヨーロッパの音

欧米の音というコンセプトで、講演や冊子の文面に意見を述べることが多いですが、それは欧米と日本がかけ離れすぎているが故のもので、厳密にはアメリカとヨーロッパ、更には英語圏と非英語圏で音色というものは大きく異なります。
アメリカのサウンドというと、スカッとした印象を受けるのと同時に、学期をセパレートすることに対しては、余り気を配らない印象があります。どちらかというと、全体の雰囲気でサウンドを構築していく印象があり、全面的に出てくるものはグルーヴ感であったり、曲の示す方向性を追ったサウンドというイメージを受けます。イギリスはアメリカよりもウェットな印象を持ちますが、双方ともに少しヴィンテージ感を漂わせるサウンドを好む傾向にあるように思えます。もっとも機材も全体的に新しくはなく、これまでのヒット曲を制作してきたという自負と共に、そこまで激しい更新を行うという感じもありません。
一部移籍してきたエンジニアたちが、ある程度新しい考え方を持ち込むようですが、それでも保守的な考え方は変わらず、思想が保守的であれば音も保守的というところでしょうか。
これに相反するように、中央ヨーロッパ、例えばドイツ・フランス・オランダ・ベルギー・スイス周辺国というのは、ドイツを中心に新世代の音を追求する傾向にあります。リアリティや各楽器の音圧の形成、そして楽曲そのものの構成すら介入して真新しい音を作っているイメージを持ちます。それ故に、ヨーロッパのスタジオはアメリカから受注することは多々ありますが、ヨーロッパがアメリカに発注するという現象を聞いたことがありません。
分かりやすい例えとして、ヨーロッパに行った折に日本車やアメリカの自動車をどれほど見たでしょうか?殆ど見なかったはずです。大きな産業である自動車でさえも、モノづくりを得意とするヨーロッパの市場へ入り込むのは、大手でさえも困難を極めます。
同じように、音楽の制作を担うのは、その多くがヨーロッパであることが多く、世界的ヒット曲の裏側には、作曲者や編曲者、またスタジオワーク全体でバックアップを行っているというケースが多々見受けられます。その最も良い例がノルウェーであり、ノルウェーはアメリカ・イギリスに次ぐ音楽輸出大国です。あれ程小さな国(人口も少ない)にもかかわらず、ビヨンセやアリシア・キースなどのヒット曲の多くは、ノルウェー人の手によって書かれているものが多いようです。
実際僕が担当しているアメリカ人のクライアントたちも、英語圏の音が世界の最先端からは遅れていることを感じ、僕へ制作を依頼してきているようです。
僕の場合、エンドース元の多くがヨーロッパですので、彼らから才能や感性を認めてもらったのだとすれば、ヨーロッパとの相性は非常に良いことを日々感じています。それは音の価値観においても同じことで、彼らから教えあられること、そして僕から提案することで常に新しいトレンドを自分たちの中で作り続けています。
最後に、アメリカの音作りで上手だと感じさせられるのはマイクです。ShureやTELEFUNKENが現在アメリカ資本ですが、特にTELEFUNKENはドイツで生まれアメリカに資本が渡ったことで、ある種の癖がなくなった印象を受けます。非常に著名なNeumannなどは、元々の設計が古いこともあり、どうしても最先端のサウンドを収録するには向かない傾向があるように思えます。恐らくは、Neumannならではの良さを伝統として活かすつつ、現代で生き延びる戦略をとっているのかと思いますが、どうしても最近のレコーディングからは外れてしまうケースが多々あります。また、先日も書いたEarthworksなどもアメリカ資本で、音の入力を上手く扱うのはアメリカかな・・・と現在思っています。
音の作り方も、国によってかなりカラーが有り、面白い現象を多々見ることがあります。



2018年4月6日 - 音楽の制作会社が扱うグランドピアノ中古

スタインウェイ・中古グランドピアノ


本日のご来客で、当社が非常に珍しいピアノ販売会社であるというお話になりました。
スタジオ運営をしているとか、音源制作を行っているとか、しかもそれが海外からの受注を中心としていることなどが上げられていましたが、私たちが最も大切にしているのは、音楽制作会社という立場にあり、その経験値とフィードバックから得られるノウハウを用いて、ピアノを選定し販売への手順を踏むということに意味を持っていると考えています。通常のピアノ販売会社と言えば、音大のピアノ課を出ているスタッフが居て、彼女たちが試弾やアドバイスをくれるというものでしょうが、それはあくまで音大出というアプローチに留まっています。
私たちが行っているピアノへのアプローチとは、世界のプロフェッショナルたちと共に音楽を作り、真剣勝負の中でレコーディングを繰り返すシビア極まる世界からのアドバイスであり選定です。例えばフランスから受注したピアノトラックレコーディングと、ミキシング・マスタリングそして納品のプロセスを追ってみましょう。
近年の音楽制作の多くは、殆どがオンラインでやり取りされることが多く、作曲家や編曲家、プロデューサーと顔を合わせないままに行なわれることが多々あります。フランスからの仕事も正にそうしたプロセスにのっとっており、ポーンとオリビエという作曲家・プロデューサー・ピアニストからメールが来て、
『フランスのテレビドキュメンタリー向けに楽曲を制作したので、グランドピアノのレコーディングとミキシング・マスタリングを行い、納品して欲しい。』
との要望が来ました。音楽の本場ヨーロッパからの受注というのは不思議かもしれませんが、これまでの実績や業界内での地位があると普通に受注することが出来ます。そういう意味では、日本国内以上に国境を感じさせないのが欧米の音楽制作です。
そして先方からProToolsという楽曲制作ソフトで非常にクォリティの高い音源が送られてきて、電子ピアノの音源を当社のスタジオで、プロのピアニストの手によりフルコンサートピアノの音源に差し替え、ミキシング・マスタリングして納品するという作業を、約3日間で終えました。
こうした一連の仕事の流れには、勿論ピアノ調律というプロセスが含まれており、ヨーロッパに納品される最高峰の音源を収録するというプロセスも含まれています。ですから、通常ピアノ販売会社で行なわれる、ピアノの選定や調律という作業自体は、私たちにとって全業務のうちの一部でしかありません。それほどに最終地点である音楽の感性を見据え、それが常に最高峰の場でセンスや美的感覚が試される環境に置かれることで、非常に広い視野からピアノに対してアクセスすることを強く求められます。楽器としてのピアノのみに意識が集中してしまうのではなく、広く音楽からそしてその音楽が非常に求められることの多い場でのノウハウは、決してピアノ業界のみを見ていては身に付かないセンスであり、ハイレベルな環境と言えます。
そして、そのフランスに納品した音源のピアニストは当社の代表であり、そのピアノを選定したのは私でもあります。こうした分厚い欧米で繰り広げられる音楽体験というものが、当社のピアノであり、また皆様に特別な存在としてご指示頂ける所以ではないかと考えております。
今後も更に、音の世界を深く追求して行きたいと考えております。


2018年4月6日 - スタインウェイ・グランドピアノの調律

スタインウェイ・グランドピアノ


今日の午前中は、2年前に納品したスタインウェイ・グランドピアノの調律でした。
随分と素晴らしい音色が出てきましたが、当社が運営している『さかもと音楽院』のピアノが何時も素晴らしいとのことで、ご質問をいただきました。結局の所、プロのピアニストがそれなりに弾いて行き、育て上げられたピアノにはどうしたら行き着けるのか?という話し合いになりました。通常工業製品などは、購入・納品されたときが最も性能が高く、そこから徐々に経年変化で能力が下がっていくという現象を想像させますが、ピアノの場合はその真逆の現象が起こるというご説明をさせて頂きました。
ピアノという楽器そのものが、非常に芸術性が高く如何に育て上げていくか?という考え方が非常に重要になります。それ故に、瞬間風速で計測するかのような短期的な音の価値判断は余り相応しくなく、長期にわたる計画が必要になり、どう着地ポイントを探すかが重要です。今回の案件としては、非常に状態の良いピアノということもあり、当社が所有するプロのピアニストが既に育たてピアノとの交換ということも視野に入るということで話し合いが行われています。良いピアノというものは、こうして長期にわたるアセット(資産)としての価値も高く、様々な視野から変幻自在にソリューションをご提示することも可能です。
様々なご要望を頂く当社のピアノ事業ですが、高額商品を取り扱う故、やはり資産形成のお手伝いができるほどの知識が必要であると感じています。音と共に、幅広い展開を図れるよう、コンサルティングも含めたお話し合いの場を、常にご用意できるように努めています。




2018年4月6日 - コンプリート・グランドピアノについて

グランドピアノ中古・ヤマハ


このブログに記事を書いたからなのか、コンプリート・グランドピアノについてご質問を幾つか頂戴いたしました。中古のグランドピアノをベースに、異なる世界観をご提供するのがコンプリート・グランドピアノで、他のどんなジャンルのピアノにも当て嵌まらない価値を持っていると自負しています。
単に中古ということではなく、よく作り込まれていた時代のヤマハの中古を探し出し、その上で素晴らしい音色を付加していくという手法を用います。ハンマーの選定や、ハンマー植えも全てドイツ人のマイスターに発注しており、パーツアッセンブリーもスタインウェイの純正品を用いるなど、拘りに拘っています。ただ、スタインウェイ自体も汎用品を多数用いており、上手く流用できる高品質なパーツも多いことから、使用すること自体の良し悪しを判断しながら、ここまで行き着いたと言えるピアノです。
パーツを交換することやリペアという見地からの補修を行うことは常態化していますが、私たちが最も大切にしたのは開発の場でした。そもそもが、コンプリート・グランドピアノの出発点はウィーンフィルのツアーに対応するためのピアノであり、世界最高峰のアーティストたちを支えるために作り上げられた逸品です。制作してはコンサートへ持ち込み、その場で様々なフィードバックを持ち帰り、そして改良を施すという作業を繰り返しました。こうした工程自体、長期に渡る事業を形成することから、中々中小企業が手を出しにくく、その上収益として見込みが立ちにくいことからも敬遠されがちです。しかし私たちは、この長期に及ぶ開発に加え、ウィーンフィルだけではなく、世界中から来日してくるアーティストたちへピアノを提供し続け、今日に至っています。
そんなバックグランドにあるピアノに、是非触れてみられて下さい。



2018年4月5日 - ピアノマイク Earthworks PM40

スタインウェイ・グランドピアノ マイクPM40


レコーディングがこれから続きます。僕が最も得意としているレコーディングは、やはりピアノなのですが、そのレコーディングにおいて重要なポイントとなるのが、このEarthworks PM40です。グランドピアノのみに使用可能という、利用範囲は非常に狭いのですが、グランド専用にマイクが企画・製造されるということは、それほどピアノという楽器の扱いが難しいのかと思います。実際に、このマイクを探し当てるまでに、ピアノの音に含まれる『輪郭』を上手く出すことは出来なく、また、ハイレゾ仕様のマイクプリアンプと組み合わせることで、新しい世代の音をレコーディングできる環境を手に入れることが出来ました。
特にレコーディングでスタンダードとされる黄金期のスタインウェイは、細くも鋭い倍音構成を持ち合わせているために、その倍音をピンポイントで狙って収録するには、このマイクでないとほぼ不可能とも言えるほどです。
これは、自分自身が長くスタインウェイを扱ってきた経験から来るもので、拘り抜いたレコーディングを好む方々は、スタンウェイのディテイルそのものをパッキングしようとしますので、所謂ピアノの収録を行えば良いというものでもありません。その上で、どういった方向性でミキシング・マスタリングしていくかが重要となり、それぞれに同じベクトルで音を作り上げていくこととなります。この途方もない多くの選択肢と材料から、最も適している手法を探し出し、音楽市場へ作品が発表されていきます。これらの工程の中で、最も重要な第一段階であるレコーディングにおいて、PM40がもたらすソリューションというものは、何にも勝る素晴らしいものでした。



2018年4月4日 - 懐かしい写真

スタインウェイ・グランドピアノ


今日のブッキングの折、参考資料として提出した東京ドームホールでの写真です。ツアーにピアノ全般を担当するスタッフとして付いて行った折の写真で、音響関係から調律までかなり幅広く関わらせてもらいました。この折の経験が基となり、現在のレコーディングから調律までを請け負うスタイルが確立されたのだと思います。
ピアノの音についても、本格的に疑問に思いだしたのもこの頃で、日本から少し海外を見る程度のことでは、全く真髄には触れていないことも感じ始めていました。そして紆余曲折経て、欧米からミキシングやマスタリングを受注するところまで来たのですが、まあ、長い期間を掛けて育て上げてきたスタイルでもあります。そもそも、オンラインでスタジオワークをやり取りするなど、余り考えられない手法のはずだったのですが、結局世界の舞台に出ればむしろそれが最も進んだ手法でした。
ピアノの事業から始まり、そして現在では世界からの受注を行うスタジオまでに成長を遂げることが出来ています。国内のピアノのみの狭い世界観では、決して手に入らなかった視野は、こうして地道に培われたものでした。



2018年4月3日 - コンプリート・グランドピアノの調律

グランドピアノ・コンプリートピアノ


最近仕上がった、コンプリート・グランドピアノの調律を行いました。
このグランドピアノは、様々な歴史を担ってきたピアノでもあります。制作し始めた当初は、ウィーンフィルの来日ツアーに合わせたところからスタートし、東京のオペラの森やラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンでも使用されてきました。また、外タレのロックバンドのツアーでも使用されて、思い出すととてつもない量のフィードバックを得て、現在に至っています。
そして販売するに至るとともに、15年以上前に納品したピアノに今でも再開すると、それはもう素晴らしい音色を奏でています。この世界観は、中々他の国産メーカーでは行き着けない境地で、この値段でこの音色にアプローチできるのは、非常に大きなメリットかと思います。スタインウェイを触った後に、コンプリートピアノへ移行しても、それぞれの良さであって甲乙ということはあまり無いかな・・・と感じることも多々あります。
ご興味を持たれた方、是非弾きにいらして下さい。


2018年4月3日 - IGS ブランドの取扱い

IGS Audio コンプレッサー

アナログテイスト溢れる外観、そしてその象徴的な見た目によく似合う、濃厚なサウンドが特徴のIGS Audioブランドの日本代理店として、昨年から活動しています。当方のスタジオ内にデモ機のご用意もあり、その濃密なサウンドを感じて頂く機会もご用意しております。
IGS Audioは、ポーランドの新興メーカーで、Bettermakerと共に現在世界の舞台で活躍しています。特徴的なのは、旧機材の復刻を目指したラインナップが目立ちますが、単に復刻するわけではなく、現代のサウンドを積極的に取り入れ、あまりにクリーンになりすぎてしまう昨今の最新機材に、一石を投じる役目を果たします。真空管も積極的に取り入れており、写真にも掲載されているコンプレッサー(右端・左端)は、それぞれ個性の異なる真空管を用いた機材で、やはりそれぞれに使い道があります。
例えば、ステムマスタリングの折やミキシングには、メインのソロ楽器に右側のブラックカラーのTubecoreが細かな調整もでき、肉厚なサウンドを演出してくれるので、何かにつけて重宝します。右側のOne LAは、その名のごとくユニバーサルオーディオのTELETRONIXからインスピレーションを貰い作られた機材ですが、サウンドとしてはやはり現代の音作りに対応した、素晴らしい逸品です。





操作はいたって簡単で、GainとThresholdのみのコンビネーションでサウンドを作り上げていきます。
中央に鎮座している576 Blue Stripは、1176からの派生機材で、500シリーズと1176をモジッた576という機材名を用いています。





やはり1176では、若干現代の音楽制作に時代を感じさせるところへ、コンパクトながらその太いサウンドは、正に現代に生まれ変わったUreiと言えます。


2018年4月3日 - ピアノレコーディング

ピアノレコーディング


ここ最近頂戴しているピアノレコーディングで、音色の方向性について様々に議論する場に恵まれています。この世界観というものは、どれが正解というものがないので、提示されるどれもが正解であり、また間違いでもあります。ですので、Recを担当する側としては、如何に自由度の高い柔軟な考え方を示し、より良い回答を最短距離で探すことが出来るかが信用におけるネックとなる部分です。マイクをどの本数用いるのか?位置は?そしてミキシング・マスタリングにおいて、どういったバランスで曲と音を構成するのか?あまりに広い選択肢と手法があるために、一つ一つのケーススタディを立体的に理解していく能力も必要になります。
また、最近何件か出てきた案件としては、ピアノ調律における安定度というものが、レコーディングにおいて、かなり重要な位置を占める仕事が数件存在しています。レコーディングの場合は、完全なるピッチで最終テイクを終えることは不可能で、様々な要因故にある程度の妥協を必要とするケースもあります。しかし、旋律が美しくも、和声が以外に単純であったりする楽曲は、調律の狂いというものがやたらに強調されることがあります。また、近年のハイレゾに対応したマイクやI/O、マイクプリアンプ、AD/DAコンバーターなどは、些細なピアノのコンディションを露骨に映し出すため、かなりシビアな調律というものが必要になるケースも垣間見ます。
例えばピアニストが調子に乗ってきた時間帯で、テイクを止めることは出来ないですし、加えて椅子の軋む音や多少のクラックノイズなどは、かえってレコーディング故の『味』として理解し、そのまま良い演奏であれば商品化されてしまうこともしばしばです。しかし調律は、これらのちょっとした要因という以上に、音楽そのものを形成しているがゆえに、本格的に崩れ始めると良いテイクが台無しになってしまうという現象も多々経験します。
演奏を止めてでも調律を行ったほうが良いのか?もしくはそのまま続行し、多少のピッチの狂いを『味』で解決してしまうのか?ここのジャッジは難しいところではあるのですが、こと調律に関しては、ハイレゾも意識するのであれば、ことさら正確さというものが必要になるかもしれません。



2018年4月2日 - オペラ曲のレコーディング

来週からオペラのレコーディングが始まります。いやー楽しみです。
クルレンティスというロシアで活躍するギリシャ人指揮者のサウンドが非常にショッキングで、もし可能であれば、あんな雰囲気のCDを制作してみたいと思っています。音を聴いた感じとしては、大凡のプロセスは想像がついているので、後はそれを関係者一同がOKするか否かですね。。。ただ今回のメンバーは、皆さん本当に柔軟な方が多いことと、今回の制作におけるコンセプトが、クルレンティスのサウンドと被るところもあるので、こういうサウンドに行き着きたいなあ・・・と目論んでいるところです。
さてどうなるのか、乞うご期待です。



2018年4月2日 - さかもと音楽院のサイトが新しくなりました。

系列で運営しております、さかもと音楽院のサイトが新しくなりました。
http://www.pianoacademy.net/

ピアノをメインにレッスンを展開しておりましたが、これまで以上に受験対策向けの論文や英語といったカリキュラムも含まれています。また、これらノウハウを基にして、英才教育の分野にも対応するようになっています。さかもと音楽院の場合、実際の現場に出ているプロの音楽家が指導するというコンセプトで指導が行われており、僕が学んだバークリーがその顕著なスタイルを取り入れていた学校でした。習う教授習う教授、とにかく余りにも著名かつ実績もワールドクラスという先生たちで、あの環境はアメリカならではのものだと思います。それに倣う形で、僕も少しだけ音楽院で教鞭をとっていますが、実際のところはスタジオワークや音楽を教えるというよりは、論文主体の指導が殆どになっています。実際のところ、論文で成績を伸ばしていく生徒さんは多く見受けられ、言語力が上がっていくことで、必然的に理解力が高まり数学や科学の成績も上がるという相乗効果を見ることが殆どです。その上論文は大人たちでも難解とも言える課題をこなしてもらっており、最高グレードの発想力と自らの強い意見を求めて文面を書く習慣を付けて貰っています。この辺りは、ハーバードからのフィードバックが強力に出ており、日本では中々受けることの出来ない授業形態を実現しています。
実際生徒の中から、ハーバードの大学院に合格している生徒もおり、非常にレベルの高い内容で学校が構成されている特徴を持っています。



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韓国テレビ主題歌となったマスタリング参加


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スタインウェイ貸出し他:ユンディ・リ


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