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マスタリングにおけるコツ

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芸術性溢れる音圧the art of mastering

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マスタリングにおける音圧について

音圧については、諸々議論されていますし、その方法論を解く文面もよく目にします。しかし内容を見る限り、国内ではロジカルな形で説明のついているものは殆どなく、全体的に試行錯誤と言える状況が続いていることもまた事実です。

これは、日本のスタジオワーク全体が、具体的な指標を持ってして、音のアルゴリズム自体を指標化出来ていないことを差しています。勘や経験値のみに依存することで、多数の事実とは異なる神話的な話も蔓延しています。

一方世界に目を向けると、大学機関で世界をリードするプロデューサーやエンジニアが教鞭をとり、より実践的且つ計算しつくされた指標を基に、情報をオープンにしプロトコル化に成功しています。世界の音楽市場では、ダイナミックレンジを確保しつつ、強力な音圧で演出された楽曲に多く触れる機会があります。どうやってあの強力かつ美しい音は作られるのでしょうか?多くのプラグインを挿したり、AIのオンラインマスタリングでは決して行き着けない境地とは一体どのようなものなのでしょうか?一緒に考えていきましょう。


マスタリングにおける音圧


音圧とハードギア

音圧を考える前に、少し視点を変えてみましょう。視点の移動により、冷静に物事を精査する機会にも恵まれることとなります。

例えば、フライトシュミレーターのみで、訓練を積んだパイロットの運転する飛行機に乗りたいでしょうか?ほぼすべての方が、Noと答えるでしょう。それは、あくまで疑似体験としてのシュミレーターと、実機である飛行機を運転するのには大きな隔たりが有り、予測不能な事態を含め一定の能力水準に達するには、相応しい機材を用いた経験が必要であるからと言えるでしょう。
この例えを用いると、プラグインを多様に用いた音源とは、正にシュミレーターという名称に相応しい、擬似的な仕上がりを見せ、実機のハードギアで作り上げられる音に追い付くことは決してありません。プラグインは効きが弱い故に、無駄に数ばかりがトラック上に散見される状態に陥ります。本来あるべき音楽的な音はやせ細り、無理に音圧を上げようとすればするほど息苦しく、熱量のない硬さばかりが強調された音源に仕上がります。

一方ハードギアは、専用設計された各回路を通り、音はダイレクトに生まれ変わります。各機材には入念に設計された哲学が有り、音色が有ります。その哲学と音色を如何に組み合わせ、各楽曲に合ったルーティングを組むことで、最高品質の音源が完成されていきます。そして、最高品質の音源は、音圧を敢えて狙うのではなく、自然と楽曲を仕上げる中で、熱量のあるパワフル且つ繊細な楽曲として完成されて行きます。

キーポイントは、狙うことで得られる音圧ではなく、楽曲を仕上げる中で自然と音圧が上がって行ってしまう仕上がりを目指すべきです。これが世界の第一線で通用するマスタリングであり、あの太く強烈なサウンドを生み出すコツでもあります。

音圧を上げるには?


音圧はコンプレッサーやリミッターの多用ではなく、EQに全ての回答がある。

マスタリングの印象を、よくコンプレッサーで例える方の意見を聞くことがあります。

しかし、基本的にはコンプレッサーを中心に音作りを行うことはありません。コンプレッサーは言わば纏め役であり、最終段に噛ませるリミッターはトータルでの仕上げに適するよう設計されています。ですので、一定のGainを上げることはしても、Thresholdを併用しますので、所謂強烈なオーバーコンプレッションを行うことはしません。オーバーコンプレッションも、先程のプラグイン同様、使いすぎれば結局のところ音楽的な響きや美しさがスポイルされ、味気ない音色に仕上がってしまいます。

以上の流れから逆算すると、楽曲にもよりますが
マスタリングの凡その工程は、EQを主体とします。世界のエンジニアが集まるコミュニティでも、コンプレッサーやその他の機材は殆ど話題になりません。話に挙がるのは「君はどんなEQを使っている?」というものが殆どです。
EQの種類・質で、そのスタジオがどれくらいの音を作るのか?またどんな音を作るのか?が大凡見当がついてしまうほどに、重要な位置を占めます。

その一例を挙げていみたいと思います。以下のSPL QPの写真は、スイスの放送局から受注した折に行われたマスタリング後のショットです。最低音のセクションは、激しくGainが持ち上げられていることがわかると思います。この低音で支えられた楽曲の場合は、各セクションかなりアグレッシブにブーストされていますが、クラシック音楽の時代から長い歴史を持つスイスで、この設定にてOKテイクを取得しています。
激しくアグレッシブに、そして限り無く美しく音楽的にEQを用いることで、楽曲全体の価値を高めるとともに音圧は自然と極限の場所まで引き上げられます。


マスタリング・リミッター


ではマスタリング前、ミキシング後のオリジナル音源の音量は?

以下の写真も、スイスの放送局へ納品した際に用いられた、NEVEのサミングミキサーで設定されたオリジナル音源の音量です。写真からわかるように、-10dB近くが減音量調節されていますが、オリジナル音源が、そこまで高い音量で作られていたということはありません。VUメーターが7-8割り程度で触れる作りをしていましたが、それでも-10dBの余剰分が必要なほどに、EQをはじめとする機材で音色と音圧を作り上げています。

音圧を構成する一部を説明してきましたが、その殆どはこれまで国内で行われてきた手法と一線を画します。積極的というレベルではなく、アグレッシブにEQを用いることで、世界の舞台で競争できる音源を仕上げることが可能です。
これには多くの経験と音楽的感性が求められ、エンジニアの技量とともに、音楽のどこまでを理解し深くアプローチできるかがネックとなる作業です。

音圧を上げた後の、ミキサー音量


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