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ミキシング・マスタリングの考え方

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〒261-0012 千葉県千葉市美浜区磯辺8-15-6

私たちのミキシング&マスタリングについてour mixing & mastering

日々の仕事について

私たちは、日々様々な国や地域から音源制作における受注を行っています。今日はイギリスの Sefiから、昨日はフランスのOlivier、一昨日は日本からという具合に、国際色に富んだやり取りの中で学ぶものは沢山あります。日本ではハリウッドのサウンドを指標とすることが多いようですが、この文章を書いている私自身がスターウォーズのサウンドメイキングを担当した Andy Edelestin からマイクテクニックの指導を受けましたし、ミキシングやマスタリングは、マイケル・ジャクソンやU2、ローリングストーンズを担当した Marc Einstimann や Jonathan Winer に師事をしました。そして、彼らから学んだことを端的に述べるのであれば、『音の聴きどころ』と『感性の用い方』だったと思います。彼ら自身が神格化されることを好んでおらず、むしろ伝説化されたような話を具体的に文面化し、分かりやすく説明できる体制を整えていたように思えます。

『日本よりも欧米のほうが電機がキレイ』だとか、『こんなケーブルを使っているからこういう音がする』という話も多く聞かれますが、それら神話化された話の要素は、直接的には音作りの根幹をなすものではなく、味付け程度にブレンドするものなのかもしれません。それよりも何よりも最も重要なことは、各楽器の音色を聴き分け、楽曲を理解し、音源の可能性を最大限に引き出せる技術力であることを、身をもって感じています。例えば、わたしたちのもとに送られてくる欧米の若手ミュージシャンが制作した音源は、プラグインのみで構成された音質であることは多々ありますが、それでもなお欧米サウンドならではのダイナリズムや広いレンジを用いての音作りがさなれていることが殆どです。その上で、アナログギアを使用してのミキシング・マスタリングを依頼してきます。きちんと音源を纏めていくことで、世界基準で指標とされるような音作りへと向かうことが出来るということは、そもそもの聴きどころ、勘所が最も重要であることを示唆しているように思えます。また、機材選びという点でも、欧米と国内はかなり多くの相違点を見ることが多々あります。結局は、音の聴きどころや勘所が異なることで、選択される機材の種類も異なることだと思います。例えば、ドイツ人マスタリングエンジニアの友人と、機材の話をFacebook上でやり取りしているとします。そうすると、彼らの言葉から、『機材の種類を見ているだけで、音が聴こえてくるよ』という発言を見ることがあります。選択される機材の質からして、既にそのプロデューサーやエンジニアのセンスが問われていると思われることは多々あります。

また、日々の業務の中で世界中のアーティストやプロデューサーたちから受注を行うわけですから、同時に世界中のミキシングエンジニア・マスタリングエンジニア達と激しく競争をすることになります。お互いにクレジットされている音源を確かめ合い、それを聴いてはさらに上を目指し鎬を削ります。勿論グラミー賞受賞者のエンジニアやプロデューサー達、また世界で最も高名とされるスタジオとも競争になります。お互いの威信を掛けた競争ですが、最も理想的なサウンドに仕上げられているスタジオ、エンジニアがクライアントより受注を行えるわけであり、その世界観の中ではプロフィールやバックグラウンドは一参考資料程度の扱いであることは間違いありません。そこへ割って入ることは、かなりの精神力と技術力が求められますが、確実に大きな進歩と世界を舞台に繰り広げられる競争の中で、感性も技術力も極限まで研ぎ澄まされていきます。私自身もキャリアにはそれなりの自負はありますが、大きな世界へ挑むとなれば力と力が激しくぶつかり合います。

息が詰まるような日々に感じられるかもしれませんが、私たちはこの仕事が好きでたまりません。子供のころに憧れた、ETやハリーポッターの楽曲制作者と仕事を共にしたり、Youtubeでクライアントのピアニストを探し、現地のテレビ番組でどのような奏法なのかを確かめたりと、理想の音源を作るためにはその背景を調べること自体が、大きな喜びとして仕事を行っています。皆様にご提供させて頂くミキシング&マスタリングは、これまで私たちが注いできた情熱を、余すところなく反映され完成していきます。


世界の中で精錬される。

私たちは、世界中の一流のプロデューサーやエンジニアの友人たちから寄せられる情報を、日々注視しています。近年世界の最先端を行くスタジオは、様々な形態で進化を遂げています。昔からのレコーディング・ミキシング・マスタリングを別工程と捉え、それぞれの関係各所と連絡を取り合うシステムは、未だに残っていますが、伝統を重んじながらも世界はさらに先へと進み、ミキシングからマスタリングまでを全くバウンスせずに、オールインワンとして考える手法が支持され始めています。

これは日本には全くと言ってよいほどに入ってきていない技術の上、非常に理にかなっており、最終段階であるマスタリングを見据えた上でのレコーディング・ミキシングということになり、同じスタジオ、同じプロデューサー・エンジニアによってマスタリングまでをワンストップで行います。これは回答から計算式を導くようなものであり、あくまで『ここ』という目的地ありきの考え方をしているため、各セクションにおける工程を非常に明確な手法で美しい音源へと導けます。

私たちは世界各国から寄せられる豊富な最先端の情報をもとに、レコーディング・ミキシング・マスタリングに垣根を作らず、全ての工程は最高級のマスタリングセクションへ導くためのレコーディング・ミキシングと捉え、最初から到達地点を明確に見据える手法を用いています。

スタジオを取り巻く進歩の速さたるや目を見張るものがあり、特に英語圏以外のヨーロッパ諸国の進歩は凄まじく早く、世界のスタンダードは主にドイツや北欧発で始まっていることが多いように見受けられます。同時に音色や音作り、プロデュース方法も日々変化しており、最新の音は常日頃アップデートされています。

そのような環境の中、私たちのもとには情報のみではなく、ニューヨークのブラックミュージックから、ベルリンのクラシック音楽まで、世界中のクライアントから多くのオーダーがあります。数曲をミキシング・マスタリングを施して欲しいとの内容から、フルアルバムの制作依頼、また東京へ来るのでレコーディングを行いたいと伝えてくる海外アーティストも多く存在します。勿論彼らの要望はグローバルスタンダードであるとともに、全世界の著名スタジオやプロデューサーたちとも比較され、その中で厳選され当スタジオに声が掛かります。

グローバルに凝縮されたノウハウを、是非体感して下さい。皆様からのオーダーを心よりお待ちしております。


世界の中で精錬される。

以上の項目で、日本には入ってきていない音作りについて触れてみましたが、一体その違いというものがどのような形で表れているのかを具体的に示していきたいと思います。
先ず前提として、この文面を書いている本人がボストンのバークリー音楽大学の出身者で、スタジオワークの殆どをアメリカで学んでいます。また仕事の多くも、欧米をはじめ中東からアジア地区まで、ボーダーレスでクライアントからお声かけを頂いているため、日本と世界との違いを肌身で数多く経験しています。バークリーで指導を受けた教授陣もスター揃いでした。ポール・マッカートニー、ミックジャガー、マイケル・ジャクソン、ヨーヨー・マなどを手掛ける Marc Dieter-Einstimann、ウォルトディズニー映画やデイビッド・ボーイ、エアロ・スミス、ピンク・フロイドなどを手掛ける Jonathan Wyner など生きる伝説から直接指導を受けることが出来、またその人間関係から、世界中の超一流プロデューサーやエンジニアを紹介され、今ではアメリカよりもヨーロッパに多くの人脈を有するようになっています。それら背景から国内外におけるサウンドメイキングの違いを述べるのであれば、国内の音作りからは想像もできないほどに、欧米ではドラスティックで感受性に富むサウンドメイキングを施すことが求められます。Marcは、ロジカルな形で音楽制作の一連の流れを印象的な言葉で表現しています。『レコーディング・ミキシングはダイナミックに、そしてマスタリングでマジックを起こせ。』正に世界の頂点では、この言葉に裏付けられるように各セクションで色濃く変

化を求められます。それでは、順にその音色をどのような形で作り上げるかを見ていきましょう。



上の動画1を再生してみてください。友人の ポーランド人プロデューサー、Igor がマスタリングのデモを行っている動画です。リッチなサウンドを生み出す真空管コンプレッサーと、効きの強い真空管 Pultec EQ を用いて各楽器のサウンドをより色濃く豊かに、そしてM/Sモードを使用しながらステレオ・イメージを広く、また真空管の特徴を生かしながらリッチで深みのあるサウンドに仕上げています。動画を見る限りは、通常この工程はマスタリングにおける第一段階と考えられる状態で、ここから更に6段階くらいに分けて、微細に音作りを行っていきますが、既に Igor はかなりの精度で第1段階の部分を作り上げています。Igorは、IGS Audioのスタジオオーナーであり、また動画の機材を製造するメーカーのオーナーでもあります。



2段目の動画は、Custom Audio Germany HDE-250Aを使用する実例として、マスタリングエンジニアの Nicolas 30分に渡り具体的な音作りを解説しています。こちらでもテクノポップな楽曲が使用されていますが、StereoM/Sモードをふんだんに用い分け、ステレオ感をEQによって精密でワイドに演出しています。これも、原曲からは考えられないほどに、ドラスティックなサウンドメイキングを行っており、マスタリング・イコライザーを如何に使いこなすのか、加えてどれほど上手くデジタル処理を取り入れられるかの良い例だと思います。特に高低音の落差を非常に大きく作り上げるために透明感溢れる EQ を用いており、この世界観は非常に参考になることと思います。



3段目の動画では、Studio DMI Luca M/Sモードが搭載されている Bettermaker plutec EQ 果敢に音作りを行っており、日本で定義される『音の補正』ではなく、あくまで『理想の音を作り上げる』ことに徹している姿が映し出されています。M/Sモードを搭載する機材自体が、決して多くない上に Pultec EQ となると、恐らくは Bettermaker くらいしかこの機能は存在しなく、トリッキーな動きをする Pultec でここまで積極果敢な音作りを他ですることは不可能でしょう。その上この上なく Hi-Fi なサウンドを作り上げる機材なので、ピーキーになるかと思いきや、テクノ系の曲でも高音部を非常にジェントルなサウンドに仕上げているかと思えば、低音側の豊かな響きを確保するなど、その巧みさが伝わってきます。この手法は、Bob Katz が執り行っていたことで知ったのですが、余りに斬新であったのでよく記憶に残っています。



最後4段目の動画は、ミキシング時に『Master Buss へプラグインを挿すな』というチュートリアルです。日本ではマキシマイザーを始めとするプラグインを挿すことをプロでも行っていますが、世界の舞台では基本的にマスターへの関与はミキシングで行うことはしません。音圧に関しては、次の章で扱っていきます。


音圧とは自然に上がっていくもの


無理に音圧をあげようとして、うまくいくケースはまず無いと断言できます。特にプラグインで強引な形で引き上げられた音量は、熱量がなく表面的で小煩いだけの音源になってしまいます。先の4段目の動画では、マスタリングエンジニアの Nicolas がその『か細い』プラグインの音源へ言及を行っていますが、世界的に見れば基本的にはしっかりとプロデューサーやエンジニアの就いている作品に、マスターバスでプラグインを挿す状態で音源が到着することはありません。極たまに、バンドマンたちが自ら仕上げた音源を入稿することが有り、そうした場合には SSL の Buss compressor が使用されていることもありますが、音のプロがアドバスを行っている作品は7割程度の音量でVUメーターが余裕を持って振れる程度に仕上げられています。これは全世界的に言えることであり、日本のみではなぜかマキシマイザーを使用することが多いようです。

そもそも音圧は、本格的なマスタリングを行う場合、-5dBから-10dBの余裕がなければバランスが保てないほどに強烈な音圧がかかり、敢えて求めなくても、自然に音圧が上がってしまうものが本物のマスタリングと言えます。入稿される音源の中には、コンソールサイドで大きく音量を絞る必要があるほどに、余計な音量を必要としません。無理に音圧を上げることや、また音圧に対して過度に拘りすぎりこと自体が、本来あるべき音楽制作から外れてしまっている考え方とも言えます。

ここでまた、一つの例を挙げてみたいと思いますが、左側の動画を見て下さい。先の Bettermaker の CEO が、Studio DMI でLuca とともに Limiter の機能説明を行っています。様々な機能を持つこの Limitter は、倍音成分を付加することや、M/Sモードでステレオイメージを調整することも可能ですが、最も能力の高い機能として Limiter 時の自然な リダクションを上げることが出来るでしょう。この動画では、メーターが振れないほどに音圧を上げるシーンがありますが、これは一つのデモンストレーションとして捉えることも出来ますし、同時にこれほどに大きな入力を持ってしても、アナログギアでは自然な仕上がりを見込めるともいえます。

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