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マスタリング

ニューリリース:ART OF RICHARD CLAYDERMANについて


今月の頭にリリースしました、ART OF RICHARD CLAYDERMANについて少し触れてみたいと思います。

ストリーミングが世界的に定着したことで、完全にグローバル化が実現した音楽産業において、アドバンテージを取れるのはもやは楽曲のクォリティという最もシンプルな状況が作り出されました。メジャーもインディーズも完全なフラットな状況での勝負になりますから、何のアドバンテージも存在しない状況です。ハーバード・ビジネス・スクールでも、大手の音楽出版社というものが、様々な市場変化が起こった一業種として扱われており、既にアドバンテージが全くないという結論が授業で扱われました。これほどに、完全フラットな市場はこれまでに恐らく存在しなかったはずですが、まだまだ資金的余裕という意味で言えばメジャーに軍配が上がりますし、メジャークォリティという言葉は確かに存在するでしょう。

確かに僕もメジャーに使われる身の一人ではありますし、このアルバムに参加したスーパースター達全員がメジャーのレコード会社には何かしらでお世話にはなっているはずです。しかし、資金調達から企画、そして着地地点である楽曲のクォリティまでが、全て僕の一存に掛かっていたという意味では完全なるインディーズの制作になります。更にしかしなのですが、サンクトペテルブルグのマリア率いるフルストリングスオーケストラや、ゼィブ(ニューヨーク)やチャック(ロンドン)といったスーパーメジャーのアーティスト達の参加と共に、サウンドのクォリティという意味では僕が日頃各国のレコード会社から受注しているサウンドクォリティを更に昇華させた形で作り上げており、また新たな世界観を提示できたと思っています。なので、所謂インディーズということではないのかもしれませんが、兎に角昨今組んでいるグローバルなバンドメンバー達とこのクォリティの楽曲で完成をみたいと切に願っていた作品になります。

また、当方が今や世界に向けた音楽プロダクションとして認知されるようになりましたが、こうしたサウンドクォリティというものが国内のスタジオで制作されている事実も感じ取って頂きたいと思っています。様々な理由付けは必要かもしれませんが、ハッキリ言って電圧の違いやその他海外のスタジオとの違いなど全くありません。僕がこうやって、日本で世界のトップメーカー13社から世界で5人前後選ばれる国際エンドーサーの一人として君臨しているわけですし、日本ではほとんど知られないような東ヨーロッパのチャートイン楽曲から、ワールドカップの楽曲までを手掛けているわけです。その本人が、電圧やらケーブルやら機材やらの違いで音の違いは出ないと断言します(機材の選定という意味では感性に左右されるので、根本が重要です)。

要は芸術性を感じ取る音の感性と才能、それに技術力が圧倒的に違い過ぎることで発生している故の、国内と海外の楽曲クォリティの違いです。ただこれだけです。それは演奏面でもそうですし、もう何から何までが世界と国内とでは違い過ぎてしまうんです。国内も世界も、双方にトップの世界を垣間見てきているが故に、その歴然たる違いというものを肌で感じることが多々あります。全てをプロデュースし、各トラックを全て垣間見るが故に、全容というものが良く見えます。また、ファミリーとして活動を共にしているバンドメンバーたちは、世界を代表する鬼才たちで、彼らのスキルというものを良く知るからこそ成しえるものが多々あり、そのクォリティの高さというものを肌身で日々感じ取っています。

これらを総合すると、楽曲のクォリティにおいて鍛えなければならないのは、DAWの使い方でもプラグインの用い方でもなく、最も重要なのは音の感性を磨き上げて、理想のサウンドをこの世の中に導き出すことが出来るかどうかです。頭の中にある理想のサウンドを、この世の中に導いてくれる通訳をしてくれるのが機材というものの立ち位置であり、機材の用い方自体も自らの感性に大きく左右されますから、そもそもの根本である自らの芸術に対する感受性が最も重要ということになります。

グローバルクォリティにおける差というものを埋めるためにも、こうした一作を通して世界のクォリティを身近に感じて頂きたく思うのと同時に、こうして世界への扉というものをこじ開けて行く日本人が居ることも知って頂きたいと思っています。