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マスタリング

ピアノレコーディング


ピアノレコーディング

ここ最近頂戴しているピアノレコーディングで、音色の方向性について様々に議論する場に恵まれています。この世界観というものは、どれが正解というものがないので、提示されるどれもが正解であり、また間違いでもあります。ですので、Recを担当する側としては、如何に自由度の高い柔軟な考え方を示し、より良い回答を最短距離で探すことが出来るかが信用におけるネックとなる部分です。マイクをどの本数用いるのか?位置は?そしてミキシング・マスタリングにおいて、どういったバランスで曲と音を構成するのか?あまりに広い選択肢と手法があるために、一つ一つのケーススタディを立体的に理解していく能力も必要になります。
また、最近何件か出てきた案件としては、ピアノ調律における安定度というものが、レコーディングにおいて、かなり重要な位置を占める仕事が数件存在しています。レコーディングの場合は、完全なるピッチで最終テイクを終えることは不可能で、様々な要因故にある程度の妥協を必要とするケースもあります。しかし、旋律が美しくも、和声が以外に単純であったりする楽曲は、調律の狂いというものがやたらに強調されることがあります。また、近年のハイレゾに対応したマイクやI/O、マイクプリアンプ、AD/DAコンバーターなどは、些細なピアノのコンディションを露骨に映し出すため、かなりシビアな調律というものが必要になるケースも垣間見ます。
例えばピアニストが調子に乗ってきた時間帯で、テイクを止めることは出来ないですし、加えて椅子の軋む音や多少のクラックノイズなどは、かえってレコーディング故の『味』として理解し、そのまま良い演奏であれば商品化されてしまうこともしばしばです。しかし調律は、これらのちょっとした要因という以上に、音楽そのものを形成しているがゆえに、本格的に崩れ始めると良いテイクが台無しになってしまうという現象も多々経験します。
演奏を止めてでも調律を行ったほうが良いのか?もしくはそのまま続行し、多少のピッチの狂いを『味』で解決してしまうのか?ここのジャッジは難しいところではあるのですが、こと調律に関しては、ハイレゾも意識するのであれば、ことさら正確さというものが必要になるかもしれません。